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2001.6.7(Thu)

【文字版】テレメンタリー2001 名古屋テレビ放送
「私らしく  〜 西本智実 ロシアを翔(か)ける 〜 」

【皆さまへ。】
こんにちは。☆宮下あけみ☆と申します。

関東地区では2001年6月7日(木)午前10時00分〜10時30分に放送されました、テレビ朝日(系列)
『テレメンタリー2001 【私らしく 〜 西本智実 ロシアを翔(か)け〜 】』
の、【文字版】作成いたしましたので配信させていただきます。
 (全国で放送されますが、日程が地域によって異なります。)

「聞こえてくる限りのもの」を「文字化」させていただきましたので、会話もそのままです。
また、聞き取りにくい声や音は、自分に聞こえたまま、打たせていただきました。
不明な点は「+++」、補足解説は< >で記しております。

【制作・著作権】は【名古屋テレビ放送】様です。
聴覚障害者の方々がこの番組を視聴なさる時は、ご活用下さいませ。

この文字版は、【名古屋テレビ放送】様、【テレビ朝日】様より、私、宮下が個人的に了解を得たものです。
この【文字版】の個人、団体等への【インターネットを利用しての転送・転記、ホームページや会報への掲載、及び、FAX・プリントアウトしての配信・配布】、「自由」です。

最後になりましたが、【文字版】として文字化する事に対して、快くご了承して下さいました【名古屋テレビ放送】様に、心から御礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

尚、【文字版】に対するお問合せ、ご意見、ご感想がございましたなら、宮下まで、直接ご連絡下さいませ。

また、この【文字版】は、「Word」にて作成しております。
プリントアウト、転送等のため、「Word」、又は「テキスト」のままでの配信をご希望される方は、宮下までD.M.にて、ご連絡下さいませ。

今後とも、宜しくお願い申し上げます。

【放送予定表】
◆ 全国で放送日時、時間帯が異なります。こちらで、ご確認下さいませ。
  URL: http://www.tv-asahi.co.jp/telementary/

<文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
【E-mail】 akemizo@beige.ocn.ne.jp


平成13年6月7日
(映像:「テレメンタリー 2001」)

(映像:西本さんのカット)
西本智実さん / 「どんなに、どんなに悲劇があったでしょう?」
 「ジョウコウ(宮下→意味、わからず。)の時は前向きに。百万匹の蜂
  (ハチ)が大旋廻(だい せんかい)するように。『テケテケテケテケ…。』」
♪(オーケストラ)
 「もう、ホントに、1mmくらいの、そこだけ、ゆっくり。」
 「流れ…。」
♪(オーケストラ) 
 「・・・。」(涙)
♪(オーケストラ)


【タイトル : 私らしく 〜 西本智実 ロシアを翔(か)ける 〜 】

(映像:街並み)
ナレーション 中本 修(なかもと おさむ 以下、「ナ」と記す。) /ロシア第二の都市、サンクト・ペテルブルグ。この町は、「ヨーロッパの窓」と言われる。
荘厳(そうごん)で、優雅(ゆうが)な建物が立ち並ぶ、芸術の街である。

サンクト・ペテルブルグでは、西本が必ず訪れる場所がある。 ここは、「指揮者:西村智実」の、第二のふるさと。西本の音楽の原点がここにある。

指揮者 西本 智実(にしもと ともみ)さん / チャイコフスキー。なんか…。
ま、ひとしおですね。こういう所に来るっていうのは。「彼らが生きていた!!」っていうのを、実感する場所がありますし。

(映像:P.チャイコフスキー像 1840〜1893)
ナ / チャイコフスキー。ロシアのにおいがしみこんだ、その音楽は、今も、人々の心を魅了(みりょう)して、やまない。

西本さん / 作曲家としては非常に、後世(こうせい)まで名の残る、幸せな作曲家だったと思うんですが、人間としては必ずしも幸せではなかった…っていうのを、物凄く(もの すご く)身近に感じれる作曲家です。

家にたくさん、クラッシックのレコードがあったんですけども、まぁ、ピアニストであるとか、バイオリストが演奏している、その演奏の仕方。
自分がとても、「この演奏、すごいなぁ!!」と思う演奏家が、何故だかいつも、ロシア系だったんですね。

ナ / 西本は指揮者を目指し、音楽大学に進んだ。
しかし、日本では、音楽界の常識が壁となって、西本の前に立ちはだかった。

西本さん / で、「結局あなたは、何になりたいの?何がしたいの?」って言われて、「実は、指揮をしたいんです。」って言うと、やっぱ、まともに誰も相手をしてくれない、というか。 「ムリだよ…。」って感じなんですね。
「んー、やぁー、まぁー、女の指揮者、無理だなぁ〜。」って感じで言われてたわけですよ。 あ、「無理」って言われてしまえば、「じゃー、やってやろうじゃないか!!」って気持ちが出てきたわけなんですよ。

ナ / 西本は単身ロシアに渡った。失敗したら帰るまでと、無心でタクトをふるった。 ロシアの大地が西本を受け入れた。

チャイコフスキーも学んだ、サンクト・ペテルブルグ音楽院。
音楽家の卵たちが、世界中から集う。
♪(ピアノ)
西本を待っていたのは妥協(だきょう)のない授業だった。
毎日、電話帳ほどもある楽譜(がくふ)を暗記(あんき)した。
競争の中で消えていったものは、数知れない。

(映像:街中で抱き合う、西本さんと、ポリサブナさん)
西本さん / 「バリッサバナー」
 (宮下→と、聞こえる。ロシア語。二言三言、ロシア語での会話。)

西本さんの寮母 バレンチナ・ポリサブナさん / 「仕事は大丈夫?」

西本さん / あまり、そんな、ま、相談とかね、私もロシア語できなかったのでしなかったんですけども、ただ、まぁ、夜中に帰ってきて、もう、アイスバーンで滑(すべ)って、立ち上がりたくなく…、なかったこともあった。
このまま座っていたいな…ってくらい、魔がさすって言うかね。
だけどね、寮に帰って、「お帰り!!」って言って、ギュッ!!ってしてくれるでしょ?

だから、なんて言うんかなぁ。すごくあったかい人なんで。そういう人たちが、やっぱり、こう、常に支えていてくれたお陰で、私も、チャレンジできる、強い心ができたわけです。

バレンチナさん / 「幸せ、健康、成功。智実の望みが全てかなうように、祈っています。」

西本さん / ・・・。(涙) ハハーン…。


(映像:タクトをふる、西村さん)
♪(オーケストラ)
写真とテロップ / 西本智実は、1970年、大阪市東成区に生まれた。

ナ / ピアノ教師の母に育てられた。音楽は自然な存在だった。小学生の頃は、有名なガキ大将だった。しかし、心には大きな穴がポッカリあいていた。
言葉にならない喪失感(そうしつ かん)。
小学校の卒業アルバムには、こう、書いた。

「指揮者になりたいです。そして、みんなの心をなぐさめたい。」


(映像:東京 オーケストラ練習風景)
ナ / 2000年4月。西本ははじめてのレコーディングにのぞんだ。
西本は、「指揮者の仕事は、建物を建てる仕事に似ている。」と言う。
楽譜(がくふ)から作曲家のメッセージを汲(く)み取り、頭の中に、曲の設計図を描(えが)く。 オーケストラからどんな音を引き出せるのか、全ての責任は指揮者にある、と言う。

(映像:オーケストラと西原さん)
西本さん /
 「少し、もう気持ち、タンギングで++いただけますか?
  え、もっと、セパレートに。」
 「+++で。で、いきなりアクセント。これは、ありです。」
 「打ち込むような感じで。」
♪(オーケストラ)
 「そう! ティーラーラー… ティーラーラー… こういう繰り返しをやっていただくと、自然とクレッシェンド」
 「やっぱり、ここも、パンッ!! パ パン!! と、できるだけ、歯切れよくお願いします。」
♪(オーケストラ)

西本さん / ロシアの… (宮下→ひとり言のように、つぶやく。)

男性 / ん? +++?

西本さん / 落とせる?音。ここ、もっと落とせる?

男性 / ボリューム?

西本さん / 落とせる? 気持ち。

男性 / これ?

西本さん / で、クレッシェンドが欲しい。

男性 / うん。

西本さん / すごく音色(おんしょく)が。みなさん、私がイメージしている音色を感じ取って演奏してくださって、非常に満足しております。

数字で言えば何ミリの世界なんですけど。これも非常に説明しにくいですね。
言葉で。


(映像:愛知県芸術劇場)
ナ / 名古屋での公演の前日、アクシデントの知らせが入った。
西本がケガをした。

<C.M.>

ナ/名古屋公演、リハーサルの前日、ホテルのバスルームで転倒し、利き腕(ききうで)を痛めた。

指揮者 西本智実さん / (右手に包帯をしている。)
神経がちょっと、ダメになってしまって。
3・4・5がちょっと、動かないんですね。

インタビュアー(女性) / 感覚(かんかく)がない?

西本さん / 感覚がないのと、とにかく、痛い…。

♪(西本さん、オーケストラ、リハーサル)
(宮下→とてもつらそうな、西本さん。汗か、涙か…。)

西本さん / 何か、++、ものあります?
(宮下→白いガーゼのようなものを受け取り、それを丸めて、口に入れる。
     かみしめているように見える。)

♪(西本さん、オーケストラ、ソプラノ歌手リハーサル。 力強い音楽の場面。)

ソプラノ歌手 浜田 理恵さん / こうやって、振るだけで、激痛(げきつう)だったらしいんですよね。それを、あんなに激しい+++(宮下→「バダフェ」とも聞こえる。)なんか、「あっ!! 痛いのに!!」っと思いながら、「あんなにやらなくてもいいのに!!」って思うんだけど、彼女、あぶら汗、ずーっと流しながら振ってて。
で、練習の時なんか、うめき声が聞こえるぐらいに。

<本番>♪(西本さん、オーケストラ、ソプラノ歌手。)
演奏終了

会場 / (拍手)

会場 / ブラボー!!


(映像:マッサージを受ける、西本さん)
マッサージ師 / 普通の人間なら寝てる。仕事をしない。

(映像:写真 撮影 佐々木卓男)
「98年デビューコンサート」

西本さん / 絶対にー、あのぉ…、あとで後悔したくない。
 「あの時、こんな事があったから、実はやりたかったけどできなかった。」
なんて言うのは、もう、絶対に死んでも言いたくないと。
やらなかったのは自分だし。
だから、あの…、絶対にそれだけはしたくないんです。


ナ / 休む間もなく駆け回る日々。西本は、自分と音楽との距離を見失いかけていた。高まる評価(ひょうか)とは裏腹(うらはら)に、心の中では、葛藤(かっとう)が渦(うず)巻いていた。

司会者 / 盛大(せいだい)な拍手をお願いいたします。

会場 / (拍手)

西本さん / そうですね。

司会 / あの、やっぱり、女性のかたが、まだまだ、少ないように思うんですけれども。


(映像:街並み サンクト・ペテルブルグ ロシア)
ナ / 芸術の街、サンクト・ペテルブルグ。ロシア音楽の伝統が息づく劇場は、生きた音楽に触れようと、連日、にぎわう。

西本は、自分の原点を求めて、この街に帰ってきた。そして、張り詰めた心をいつも癒(いや)してくれた、ある人物の事を思い出していた。

インタビュアー(男性) / 行く時、いつも、薔薇(バラ)なんですか?

西本さん / 薔薇(バラ)。あのぉ、前、日本にいらっしゃった時に、あの、コンサートの後に薔薇をもらった、++にいた先生がもらった時に、すごく気に入ってたみたいで…。

(映像:写真 イリヤ・ムーシン)
ナ / イリヤ・ムーシン。音楽院の教授をつとめ、今、世界で活躍(かつやく)する多くの指揮者を育てた。 ムーシンは、西本に非凡(ひぼん)な才能(さいのう)を見出し(みいだし)、弟子(でし)として迎え入れた。

西本さん / 苦しいとか、悲しいとか。ま、どっちかっていうと、そういう部分の表現。さみしいとかは、ま、もう、本当に「いい。」と。「向いてる。」と言うんですよね。だけども、あのぉ…、「楽しさ」とかっていうのが、出ないって言うんですね。
 「いつかね、自分が死ぬまでの間に、一度でも、本当に、喜びの、んー、喜びでも、ちょっと、悲しさが入っていない、本当にハッピーな音色が出るといいね。」って事は、言いましたね。

(映像:お墓に薔薇の花を供える、西本さん。涙…。)


(映像:桜の花)
ナ / 西本智実。「女性が指揮者になるには、将軍になるより難しい。」と言われる、音楽の世界を生きる。 自分らしく。

西本さん / 本当に素晴らしい芸術に触れた時に、奇跡的(きせき てき)に感じる瞬間(しゅん かん)って、すごく、あるんですね。でも、仕事もしていかなくてはいけない、とか、何々もしていかなくてはいけないとか。
そういう事を、自分でどっかでごまかしながら…じゃないけれど、ヘンな閉じ込め方をしたっていうか、ヘンなあきらめ方。

私が本当にあきらめてはいけない所を、あきらめようとしていた時間、期間だったかもしれない。でも、それに、今は気付いたっていうか、ほんの少し、わかったような気がするし。

で、ま、私たちは作曲家の心に、楽譜を通して近づこうとするわけですよね。
音楽を、こう、照らし合わせて。自分を見ようとしているわけなんですね。

(映像:本番前の西本さん。緊張…。)
ナ / ちょっと背中、叩いてくれません?

男性 / バンッ!! っと?

西本さん / バンッ!! っと、いっちゃって下さい!!

男性 / バンッ!! (西本さんの背中を、大きな手のひらで叩く。)

西本さん / よし!!

(映像:本番へ向かう、指揮者、西本さん。会場から拍手が聞こえる。)

平成13年6月7日(木)放送
【 私らしく 〜西本智実 ロシアを翔(か)ける〜 】
 制作・著作 : 名古屋テレビ放送

<文字版制作&配信>  ☆宮下あけみ☆
【E-mail】   akemizo@beige.ocn.ne.jp


 
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更新:2006/08/24
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